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ここでは、FAQ(よくある質問)を示します。
認定
- 防火水槽とは何ですか。
消防水利の1つです。消防水利は、常時貯水量が40m3以上又は取水可能水量が毎分1m3以上でかつ連続40分以上の給水能力を有するものでなければならないという消防水利の基準があります。その他の消防水利としては、消火栓、プール、河川等があります。
- 二次製品防火水槽はどの機関の認定製品ですか。
(一財)日本消防設備安全センターの認定製品です。安全センターは総務省消防庁長官から二次製品防火水槽の認定機関として指定されています。
- (一財)日本消防設備安全センターとは、どういった業務を行なう機関ですか。
主として消防防災設備・機器の認定・性能評定と、消防防災システム・ガス系消火設備の評価業務を行っています。
- 二次製品防火水槽にはどんな種類がありますか。
形状及び構造より次のように分類されています。
形状 |
角型 |
横置ボックスカルバート型 |
縦置ボックスカルバート型 |
円筒型 |
縦円筒セグメント型 |
横円筒型 |
構造 |
RC(鉄筋コンクリート) |
PC(プレストレスコンクリート) |
鋼 |
コンポジット(鋼とコンクリートの合成) |
- 二次製品防火水槽の認定における基本事項を教えて下さい。又、耐震性貯水槽との違いを教えて下さい。
二次製品防火水槽の認定における基本事項の主な項目は次の通りです。
- 有蓋・有底の一槽式であること。
- 水槽底の深さは、底設ピットの部分を除き、地表面から4.5m以内であること。
- 内寸法が一辺0.6m以上又は直径0.6m以上で、かつ、深さが0.5m以上の底設ピットを吸管投入孔の直下に設けること。
- 水槽本体の強度を損なわない位置の頂版部に、内径0.6m以上で丸型の吸管投入孔を1ないし2個設けること。
- 水槽の容量は40m3以上であること。
耐震性貯水槽が違うところは、
- 底設ピットを集水ピットといい、深さが0.3m以上であること。
- 水槽底の深さは、集水ピットの部分を除き、地表面から概ね7m以内であること。
- 水槽の容量は40m3型にあっては40m3以上60m3未満、60m3型にあっては60m3以上 100m3未満、100m3型にあっては100m3以上であること。
- 地上に突出するタイプは認定範囲に入っていますか。
防火水槽の場合は現場打ち防火水槽と同様に地上50cmまで突出することは認定範囲となります。しかし、耐震性貯水槽は現場打ち、プレキャストとも認定の範囲には入りません。
- 型式番号と型式記号について教えて下さい。
型式番号は安全センターの管理番号で、型式記号はメーカーが決めた製品識別のための表示記号です。下に型式記号例を示します。
- 個別認定について教えて下さい。
型式認定を受けた会社が個々の製品を生産し、防火水槽として出荷しようとするときは、事前に安全センターに申請をし、必ず個別認定を受けなければなりません。出荷工場は、個別認定申請書を安全センターに提出し、原則として安全センター立合いのもとで個別認定試験を行ないます。
- 補助金について教えてください。
補助事業者(市町村)が「消防防災施設整備費補助金交付要綱」に基づく補助事業を行った場合、要綱で定められた基準額と補助率に応じて、国から補助金が交付されます。
平成26年4月現在の基準額(40m3型)と補助率は下記のとおりです。
補助対象施設及び型(級) |
基準額(千円) |
補助率 |
耐震性貯水槽 |
5,386 |
1/2 |
防火水槽(林野分) |
3,441 |
1/3 |
- 40m3未満の認定水槽はないですか。
「二次製品等耐震性貯水槽認定基準」には40m3未満型の区分もあります。ただし、補助金の対象とはなっておらず、認定を取得しているのは数社に限られます。(2017年4月現在では、HC式貯水槽工業会の(株)馬渡商会および(株)ホクコンの2社のみ取得している状況です。)
構造
- HC式防火水槽の特長を3つ上げて下さい。
主な特長は次の通りです。
- 部材接合部には、水密性の高い水膨張ゴムを貼り付けと内側にはコーキングによる防水加工が施してあり、完璧な防水性能を発揮し漏水の心配は全くありません。
- 耐震設計された部材を使用し、PC鋼より線で縦締めして一体化するため、マグニチュード7.9の地震の衝撃にも十分耐えられます。
- PC鋼材定着部がGキャップを採用することにより完全に保護され、漏水を防ぎ、定着具の防錆効果を十分発揮します。
- 荷重状態を示すT型、U型、V型とは何ですか。
T型、U型、V型は、二次製品防火水槽を設置する場所による区分で、公園、宅地等自動車の進入するおそれがない場所の地下に設けるものをT型とし、これ以外の場所の地下に設けるもので総重量20tfの自動車が載荷されるものをU型とし、総重量25tfの自動車荷重が載荷されるものをV型としています。
- T型の上載荷重 10kN/m2 (1.0t/m2) とはどういった荷重ですか。
あらかじめ予想できない荷重(不測荷重)として、植栽荷重、群集荷重、遊園具荷重、仮置荷重、施工機械荷重、土地の形質の変更等を考慮しています。
- 二次製品防火水槽の耐震設計はどのような地震を想定していますか。
設計水平震度は基準震度を0.2とし、これに地域別補正係数(最大1.0)、地盤別補正係数(最大1.2)、および重要度補正係数(最大1.2)を乗じた0.288を使用しています。これは地震の規模を示すマグニチュードでは7.9に相当します。
- 防火水槽本体に採水管や給水管用の開口は設けられるのですか
設けられます。ただし以下の条件が付きます。
- 加工は製造時に実施し、製造後、施工現場等においては実施しないこと。
- 穴の数は一基当たり4個以内とすること。
- 1個の開孔部の面積は、500cm2以内とすること。(直径25cm以下)
- 1基当たりの開口部面積の合計は、750cm2以内とする。
- 開口部の周囲は必要な補強を行なうこと。
- 鉄筋の被りを確保すること。
- 頂版部とは下図による。
- 吸管投入孔の無い組み合わせは、防火水槽として可能ですか?
不可能です。必ず吸管投入孔1個は設けてください。吸管投入孔とは、直下に底設ピットがあるものであり、点検用の開口とは別物です。従って下図の様な組み合わせは認定の範囲外になります。
- 物価版・積算資料の掲載価格はいくらですか。又、その内容について教えて下さい。
価格は各自でお調べ下さい。
主な価格資料として、(一財)建設物価調査会が発行する月刊建設物価と、(一財)経済調査会が発行する月刊積算資料があります。
施工
- 工事工程は何日かかりますか。
基礎コンクリートが充分に養生された(一週間程度)状態を確認後製品搬入を行い、40m3標準条件では製品据付1日、防水工事1日、合計2日で工事は終了します。但し、埋め戻しまでには防水工事の養生日数の確保が必要です。
夏季で2日、冬季で4日、春と秋には3日の養生日数を確保して下さい。技術資料も参考にしてください。
- 10ha宅地造成区域の中で防火水槽は何基くらい計画されていると考えられますか。
防火対象物から消防水利まで140m以下という配置基準(消防水利の基準より)から、2haに1基は必要になり、10ha宅地造成区域の中では5基程度は計画されると考えられます。
- 飲料水兼用防火水槽とは何ですか。
常時には生活用水(飲料水)として用いられるが、火災発生時には消防水利として利用する水槽のことです。自然水を利用した自然流下型の例が多いですが、これは補助金の交付対象にはなりません。安全センターでは二次製品飲料水兼用耐震性貯水槽の認定基準を定めています。この中で二次製品飲料水兼用耐震性貯水槽は、常時には上水道管路の一部として機能し地震等の非常時には消火用および飲料用として貯留水を利用できる水槽と規定しています。当工業会には二次製品飲料水兼用耐震性貯水槽の基準に適合する認定品はありません。
- 製品を据える重機はどのタイプが必要ですか。
標準的には40t吊りトラッククレーンですが、現場の広さや据付作業の方法によって変わりますので、現地確認が必要です。
- 50t吊りラフテレーンクレーンを据えるスペースはどの位が必要ですか。
アウトリーガーの張出と、作業半径を考慮すると約7mの幅が必要です。
- 基礎コンクリートの厚みと基準強度はいくつですか。
「二次製品防火水槽等施工要領書(平成13年3月、(一財)日本消防設備安全センター)」によれば、基礎コンクリートの厚みは15〜20cmと設定し、基準強度は16N/mm2以上を標準とするとの記載があります。HC式貯水槽においてもこれに従って、標準的な基礎コンクリートの厚さを15〜20cmと設定し、基準強度は18N/mm2以上としています。ただし、設置地盤の状況によって変わりますので、施主に確認してください。また、基礎コンクリートの養生は十分行い(7日間)、所定強度の発現が困難な場合は、早強セメントを使用する等の措置を取って下さい。
- 軟弱地盤の場合、基礎コンクリートの考え方を教えてください。
「二次製品防火水槽等施工要領書(平成13年3月、(一財)日本消防設備安全センター)」によれば、施工基準高の確保及び施工を行いやすくするために基礎コンクリートを施工するとの記載があります。必要地耐力が確保できないような軟弱地盤の場合は、地盤改良等によって水槽の自重や設計荷重等を支持し得る良好な地盤とすることが大前提となり、無筋の基礎コンクリートを標準としています。
ただし、支持地盤の必要地耐力を確保した上で、有筋基礎を要求される場合もあります。
- 縦締め緊張力の設定方法について教えてください。
中間ボックス部材、端面部材をPC鋼材により緊結・一体化するための縦締め緊張力としては、部材の引寄せに必要な緊張力、止水パッキン材の圧縮に必要な緊張力、水槽全体の安定の検討に必要な緊張力を総合的に考慮しています。40m3級についてはP=140kN/本、60〜100m3級についてはP=200kN/本にそれぞれ統一した緊張力で設定した内容にて型式認定を取得しています。
- 防水材料の必要な養生時間を教えて下さい。
夏季は2日(48時間)、冬季は4日(96時間)、春と秋は3日(72時間)です。養生時間を置かないと、漏水の原因になりますので注意して下さい。
- 埋め戻し前に重機は乗ってよいですか。
埋め戻し前に重機が乗るようなことは避けて下さい。水槽に偏った荷重が作用すると、部材がずれたり、表面が欠ける恐れがあります。
- 据付け工事に必要な作業スペースについて教えて下さい。
水槽の据付け作業を円滑に行なうため、緊張作業をする側は素掘りの場合で1.0m以上、仮設矢板の場合は1.5m以上とし、残り3方向は0.5m以上の作業スペースを確保して下さい。
- 基礎コンクリートの天端高は何p下げて指示したら良いですか。
基礎コンクリートの仕上がり精度を勘案して、3p低く打設するよう指示して下さい。基礎コンクリートの天端高が高いと水槽の設置高さが高くなり、これは修正ができません。
- 基礎地盤の地質が粘性土、砂質土における必要N値はいくつですか。
防火水槽のタイプ、および土被り厚により変わりますが、目安とする必要N値は次の通りです。
粘性土 8以上
砂質土 17以上
- 埋め戻し前に、大雨の予報が出ています。どのような処置をすべきですか。
排水対策を充分しないと防火水槽が浮き上がる可能性があります。揚水能力に充分余裕を持ったポンプを設置し、さらに用心のため、水槽上部に土嚢などのカウンタウエイトを載せておくと良いでしょう。
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